フィリピンでタトゥーを入れた人は日常でよく目にする程、タトゥーの文化が深く根付いています。
今回の記事ではフィリピンのカリンガ族が施すトライバルタトゥー『カリンガタトゥー』をご紹介します。
カリンガタトゥーの伝承者は1名のみで100歳の人間国宝・ワン氏と言われています。
トライバルタトゥー好きの方は必見の内容です!
- カリンガタトゥーを知りたい方
- 100歳の人間国宝の彫師を知りたい方
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フィリピンのカリンガタトゥーとは

カリンガタトゥー(Kalinga tattoo)とは、世界中数多く存在するトライバルタトゥーの一種でフィリピンのカリンガ州にあるブスカラン村の山奥の秘境で施されていたタトゥーのことを指します。
ブスカラン村に住んでいるカリンガ族は元々、首狩り族として知られていました。
フィリピンのカリンガ族の男性は紛争の際に戦いに勝利する度に「勇気」の意味を込めカリンガタトゥーを掘る文化がありました。
第二次世界大戦の際に侵略した日本兵と戦ったカリンガ族の男性の胸には、本物の「戦士」を意味するイーグルのデザインが施されていました。
カリンガ族の女性の場合は数多くのカリンガタトゥーが入っているほど美しいとされていました。
カリンガタトゥーが守られた理由2選

カリンガ族がカリンガタトゥーの伝統を保持することができたのは理由は2つで、1つ目は「居住エリアが人里離れた高地であったこと」、2つ目は「首狩り族であったこと」が上げられ、人が寄り付かなかったとされています。
トライバルタトゥーと称されるものは、今でもその手法や伝統を守り抜く地域があり、伝統的な観点で言うと異彩を放っています。
現在では、カリンガタトゥーの正式な伝承者は100歳の人間国宝・Whang-od(ワン オッド)氏のみです。
ちなみにカリンガ族ではタトゥーを「バトック」と呼び、彫り師を「マンババトック」と呼びます。
フィリピンのタトゥーの歴史

フィリピンで昔からタトゥーの文化は根強く、ルソン島のイゴロ(igorot)やティンギアン(tinguian)、ビサヤ諸島(bisaya)のピンタド(pintado)やイロカノ(ilokano)、ミンダナオ島(mindanao)でトライバルタトゥーの文化が部族を中心に盛んとなりました。
フィリピンのタトゥーの特徴としては、ポイントで墨を入れるのではなく全身に掛けてタトゥーを施していました。
過去ではタトゥーを入れることは「部族の通過儀礼」として風習として根付いたフィリピンの地域もありました。
フィリピンのトライバルタトゥーの特徴

フィリピンのトライバルタトゥーのデザインの特徴は身体に対して「シンメトリー(左右対称)」であることです。
フィリピンは常夏で常に服を身にまとわなくてもよい環境で、タトゥーは部族にとってファッションの一部としても利用されていたのだと推測出来ます。
当時のヨーロッパ人宣教師はフィリピンのタトゥーを観た際に「まるで中国の布地のようだ」とも記録が残っているほど、タトゥーのデザインは非常に繊細に作られています。
16世紀前後からフィリピンのトライバルタトゥーが発祥したと考えるとフィリピンのタトゥー文化は1000年以上の歴史となります。
人間国宝のカリンガタトゥー彫師

現在、カリンガ族で正式なカリンガタトゥーの伝承者はWhang-od(ワン オッド)氏の1名のみです。
彼女は15歳からカリンガタトゥーを始めました。
ワン オッド氏が25歳の時に戦争で恋人を失って以来、1人でカリンガタトゥーを彫り続けて来ました。
メディアでは「世界最長のタトゥーアーティスト」として取り上げられるうこともあります。
ワン氏は1000年以上の歴史を持つカリンガタトゥーの伝統技法を守ってきたことを称賛され、フィリピン国家芸術文化委員会から人間国宝賞の称号を与えられることになりました。
ドゥテルテ大統領の承認を得て、授与されるそうです。
カリンガタトゥーが有名になった理由

カリンガタトゥーが世界中で有名になったキッカケは、アメリカのドキュメンタリー番組にてカリンガ族の老人が全身に施しているカリンガ・タトゥーを紹介したことが始まりです。
カリンガタトゥーの伝承者ワン氏がカリンガタトゥーを彫って貰いたい客は今でも耐えず、国内または海外からたくさんの人が訪れます。
現在ではカリンガタトゥーの後継者としてワン氏の妹の孫娘15名ほどが技術を伝授し継いでいます。
ちなみにワン氏は高齢で1日に手術できる数が限られているため、当日の予約は困難です。
カリンガタトゥーの掘り方

上記の写真がカリンガ族のカリンガタトゥーで、デザインに塗りの部分が少なく、主に線のみで構成されているのがカリンガタトゥーの特徴です。
カリンガタトゥーを掘る前にカリンガタトゥーのデザインがまとまった板が渡され裏表に50個ほどデザインの中から選びます。
転写は丸型の蓋のような物と、一定の長さで線を引ける針金のような物を用いてデザインを引いていきます。
カリンガタトゥーを掘る作業で使用する道具は、1本針が刺さっている木の棒のみです。
使用する針は金属ではなく、カラマンシーという柑橘系植物の棘を利用します。
カリンガタトゥーを彫る際は、指でインクを塗り、左手で1本針が刺さっている木の棒を固定し、左手に打ち付けるための別の棒をで叩いていきます。
1秒間に3回ほどのペースで針を身体に打ち付けて行きます。
手彫りのカリンガタトゥーは見たことの無いほどの血が滴って施術した皮膚は紫色に腫れ上がり、痛そうに見えます。
カリンガタトゥーの値段はワンポイントで1,000ペソ(約2,000円)程度からだそう。
現在でも伝統の保護活動の一環として、観光客などにカリンガタトゥーを施しています。
ワン氏の活動は以下の動画より詳細が見れますので、是非チェックしてみて下さい!
フィリピン・カリンガタトゥーまとめ

フィリピン国家芸術文化委員会から人間国宝賞の称号を与えるフィリピン・カリンガ族のカリンガタトゥーは魅力的に感じます。
カリンガ族の住むブスカラン村は山奥でアクセスが難しい場所にありますが、興味がある人は一度、足を運んでも良さそうです!
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